2005年11月15日

バグと品質の関係(その2)

信頼度成長曲線とはテスト項目消化数や開発日付をX軸に、不良の累積件数をY軸に関連させてグラフ化する手法です。バグ収束曲線とも呼ばれます。バグ収束曲線の名のとおり,開発初期の頃から次第に不良件数が増加していき,テスト中はグラフの傾きが最大となります。顧客に納品するころには不良が出尽くして傾きが緩やかとなります。テストが進むにつれて不良の発生確率が減少するからです。顧客環境を意識したテストを実施していれば,テスト時の不良摘出率が減少すると,顧客環境での不良発生率も減少します。
不良摘出率の減少がグラフの傾きとして可視化されることから,直感的に品質を把握しやすくなってます。

経験的な指標として信頼度成長曲線を使用するなら問題ないのですが,納品基準に信頼度成長曲線を適用されるといろいろなドラマが発生します。 納期ギリギリでテストを行っていると,ついついやっかいなテストを後回しにします。やっかいなテストというのは,境界条件であったり,正常系の条件でも一般ユーザはまず使わないような値を使用しています。そのためやっかいなテストというのは高い確率で不良を発生させてしまいます。そうなると,最後に実施するやっかいなテストのおかげで開発末期に不良が集中します。 信頼度成長曲線が開発末期になって寝るどころか,元気よく成長するのです。そのため品質が安定していないと判断されます。
やっかいなテストが終わったので品質が安定しているにも関わらず。

ここに信頼度成長曲線の問題があります。信頼度成長曲線では日程やテスト項目ごとの重みを考慮しません。そのため,現場の実感と外れた結果が出ます。このへんの定性的な事情に理解を示してくれる顧客であればいいのですが,そうでなければ顧客とバトルです。テスト項目の見直しと追加を要求されないように頑張るのが管理者の職務となります。

納期ギリギリの開発状況をどうにかしろや,とか,やっかいなテストを前倒しで実施しろや,といった意見が聞こえてきそうですがその辺は無視の方向で。



posted by まる at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者 Chips | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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